こんにちは! 今年の夏山の締めくくりに、一泊二日で山梨県の甲斐駒ケ岳と栗沢山・アサヨ峰、そして仙丈ケ岳に登ってきたタクロス(@KTacross)です。

今回登ってきた山々は、一般の方にはあまり馴染みのないものだと思いますが、登山ファンにとっては思い入れの深い名峰揃いなんです。
いつか峠にテントを張って4つの山を制覇したいと考えていましたが、ついにそれが実現しました!!
Contents
1. 甲斐駒ケ岳とは
甲斐駒ケ岳は山梨県の西部に聳え立つ、標高2967mの日本百名山です。
深田久弥がその著者「日本百名山」の中で「甲斐駒ケ岳は名峰である。もし日本の十名山を選べと言われたとしても、私はこの山を落とさないだろう」と絶賛しているこの山。
登山に興味のない一般人にとっては日本全国にある駒ケ岳の一つに過ぎず、見分けもなかなかつかないのでしょうが、2016年からOAされている宇多田ヒカルさんの出演する「南アルプスの天然水」のCMで登場する山、と言えば分かってもらえるでしょうか。
宇多田ヒカルさんが登っている山が栗沢山で、山頂から望んでいる白っぽい山が甲斐駒です。
今回は日本百名山である甲斐駒ケ岳とその隣の栗沢山、さらにはその隣の日本三百名山・アサヨ峰まで登るのを1日目の行程とし、峠のキャンプ場で一泊して翌日は反対側の3000m峰・仙丈ケ岳も登頂して帰ろうという欲張りプランを立てました。
我が家では年に一度しか宿泊での山行を許されていないので、一度でできるだけ多くの山に登らないと次の機会が何年後になるか分からないのです…。
去年の秋も日帰りで栃木の男体山と日光白根山を制覇できたので、今回もいける…はず!?
2. 伊那市側からバスで北沢峠に入る
甲斐駒ケ岳に登る最も人気のルートは北沢峠を起点とするものですが、林道はマイカー規制が行われているため、基本的にはバスでのアプローチとなります。
山梨県側・芦安からバスを乗り継ぐコースと長野県の伊那市側から向かうコースがあり、今回は伊那市の仙水荘からバスに乗るコースを選択しました。
夏山シーズンは5時半に出発するバスがあるので、比較的早い時間に登山を始められます。

それでも日曜の早朝からこの行列でした! バス4台に分かれて北沢峠を目指します。

バスに揺られることおよそ50分、6:20に標高2000mの北沢峠に到着。
さあ、早速甲斐駒ケ岳を目指すぞ…といきたいところですが、まずは北沢峠から10分ほど下ったところにある長衛小屋キャンプ場にテントを建て、寝袋や明日の食料など余計なものを置いて身軽な状態で登山を開始する作戦です。

6:30に長衛小屋到着。一泊500円の幕営代を支払い、テントを張る場所を決めます。

この日は日曜日だったこともあり、色とりどりのテントが辺りに設営されていました。

以前誕生日に妻にプレゼントしてもらった、テントにもなるスーパーライトツェルトを設営。
一人で泊まるにはこれで充分です。あまり激しい雨が降らないことを祈るのみ。
3. キャンプ場から甲斐駒に向け出発

7:25にテント場を出発!標高差およそ1000mの甲斐駒ケ岳を目指します。

10分後には先ほどバスを降りた北沢峠に到着。ここからが本番です。

なかなか急峻な登山道を登っていきます。まず目指すのは4合目の双子山。

8:15、二合目まで登ってきました。

振り向くと後ろには明日登る予定の仙丈ケ岳が見えます。
森林限界を超え、景色もだいぶ開けてきました。

8:55、四合目の双子山山頂に到着しました。

目の前にはこれから登る甲斐駒ケ岳の姿がくっきりと。
南アルプスの貴公子との異名を持つ甲斐駒、その山容は文句のつけようがない美しさです。

右手には宇多田ヒカルさんも登った栗沢山と、その奥にアサヨ峰が見えます。

その向こうにはおととし登った鳳凰三山。地蔵岳のオベリスクが歓迎してくれています。
4. 双子山から6合目の駒津峰へ

9:35、六合目にあたる駒津峰に到着。
甲斐駒ケ岳はいよいよその姿が迫ってきました。

既に800mほど登ってきているため、トレーニング不足の両足の筋肉は悲鳴を上げ始めていますが、ここでおめおめと引き返すわけにはいきません。

一歩ずつ、花崗岩の拡がる山肌を進んでいきます。
5. 駒津峰から甲斐駒山頂を目指す

10:10、八合目まで到着しました。

ここから西側に見える特徴的な山は日本二百名山の鋸岳です。
上級者向けの山だそうですが、今回初めてその見事な山容に触れ、登りたい山ランキング上位に食い込むことになりました。いつかチャレンジしよう…!
さて、ここからは一般向けの迂回コースと、上級者向けの直登コースに分かれます。

せっかくなのでスリル満点の直登コースを進もうとしたのですが、大きな岩を跨ぐ時に右足が攣ってしまいました!イタタタタ…!
…というわけで、足の状態が悪化しないうちに引き返し八合目へ。一般向けの迂回路を進むことにします。

こちらは山頂とは思えない白い砂に覆われた登山道になっています。

何人もが歩いて細い溝のようになった道を進みます。

ここまでの登山道とは雰囲気が全く変わりました。
甲斐駒ケ岳の中心部に近づいている雰囲気が漂ってきます。

10:30、山頂のとなりに構える摩利支天への分岐に到着しました。
山頂側を仰ぐ景色は格別とのことですが、まずは山頂を目指します。

真っ白な砂の中を一歩一歩進みます。
3000mに迫る標高で酸素が薄いのと疲労による両足の痙攣、そして急に強まる横風に体勢を崩しながら、無言で山頂を目指します。

山頂付近の分岐まで来ました。
山梨県側からの日本三大急登・黒戸尾根からのコースとの合流地点です。
北沢峠の林道が整備されるまでは、標高差2000m以上の黒戸尾根コースが甲斐駒ケ岳登山のメインルートだったそうです。
いつかそちらの難コースもチャレンジしたいと思いつつ、悲鳴を上げる両足を騙し騙し山頂へ。

てっぺんが見えてきた!
6. 甲斐駒ケ岳山頂到着

登山開始から3時間45分、11:10に標高2967mの甲斐駒ケ岳山頂に到着しました。

山頂で最も目につくのが、草鞋が祀られたこちらのお社。
昔から修験の対象だったのでしょうか?

周囲には他にもだいぶ年季が入った石の人工物があちこちに置かれていました。

ここまで登ってきたコースと、向こうに見えるのは仙丈ケ岳。
無事下山して、明日は向こうから甲斐駒を望むことができるでしょうか。

鳳凰三山と、その向こうに見えるのは笠のかかった富士山です。

雲が出てきてしまいましたがこちらは去年登頂した北岳・間ノ岳方面。写真右奥は塩見岳のようです。

北アルプスの穂高・槍も望むことができました!
今回僕は甲斐駒の山頂から日本の標高ベスト5(富士山・北岳・穂高岳・間ノ岳・槍ヶ岳)全てを望めたことになります。素晴らしい! 来て良かった!!
7. 次回、栗沢山・アサヨ峰に続く
さて、最初の目標だった甲斐駒ケ岳は無事登頂を果たしましたが、今日はこのあと隣の栗沢山と、さらに隣のアサヨ峰まで登る計画を立てています。

山頂から駒津峰まで戻り、2200m付近の仙水峠まで一旦下ってから再度2714mの栗沢山、さらには2799mのアサヨ峰まで登り直すことになります。
時間的にもかなりタイトなスケジュールですので、場合によっては日が暮れてからの下山も覚悟しなければなりません。
果たして無事に3つの山を登頂し、キャンプ場まで戻ることはできるのか…?
タクロスは かいこまがたけの きじを とうこうした!
1ポイントの けいけんちを かくとく!
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